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​【検索意図別】SEOで気にしなくていいキーワードと気にしないといけないキーワード

お客様から、ホームページの検索の順位を上げたいんですというご相談をよくいただきます。そういう方にどんなキーワードの順位を上げたいんですかと尋ねるとほとんどが、いわゆるビッグワードと呼ばれるキーワードだったりします。ビッグワードというのは誰もがすぐに思いつくような一般的な単語のことです。例えば「バレエ教室」とか「カフェ」とかですね。最近の検索サービスはだいぶ賢くなったという話は以前書きました。なので昔のように、リンクを買ったりというような手法で検索順位を有利に操作することはできません。なので小手先のSEOよりもサイトの中身が大事ですよといろんなところでいっているのですが、いいサイトを作れば自分の思うがままのキーワードで順位を操れるというわけではありません。なぜかというと、検索エンジンは今、検索するユーザーが本当に望んでいる結果を提供することに力を注いでいて、そのためにユーザーがどういう意図を持って検索しているかを理解しようとしているからです。今回は検索する人の意図を考えようという話をしたいと思います。

検索意図とは

まずちょっと考えてみてほしいのですが、グーグルで何かを検索するとします。検索窓にキーワードを打ち込みますよね。グーグルによると、その時にあなたがやりたいことは3パターンに分類されるといいます。何かを知りたい(Know)か、何かがしたい(Do)か、何かにアクセスしたい(Go)かのいずれかです。普段何気なく検索していると思いますが、そういわれると確かにこのうちのどれかに当てはまっていると思いませんか? 例えば「卓球 ルール」キーワードだと、卓球のルールについて知りたい(Know)ということになります。これが「卓球 東京」になると、卓球について知りたいのではなく、卓球がやりたい(Do)のではないかなと推測できます。「卓球 協会」だと、卓球協会のサイトにアクセスしたい(Go)のでしょう。実際に検索してみてそれぞれの検索結果を比べてみてください。ずいぶん見た目が違いますよね。「卓球 ルール」の検索結果は卓球のルールや用語についてまとめられたサイトが並んでいます。「卓球 東京」だと、東京周辺で卓球ができる場所が地図で表示されています。「卓球 協会」だと、日本卓球協会のサイト内にある主要なコンテンツが大きく表示されています。メニューも「ニュース」が「すべて」の次に来るようになっています。ここで大事なことは、ユーザーの検索意図を誤って解釈してしまうと、検索で上位に表示されないだけでなく、仮に表示されたとしても効果が期待できないということです。例えば「卓球 東京」で検索したときにグーグルが検索意図を間違えて東京卓球同好会みたいなサイトが上位に表示されてしまったとしても、ユーザーがクリックしてくれることはないでしょう。

検索はど定番を探すもの

このところ、検索で上位に表示されるためには以前よりも「信頼性」や「権威性」が重要視されるようになってきました。これはなぜかというと、ユーザーが検索に求めているものが「個人による尖った意見」ではなく「多くの人が認める専門的・客観的な情報」になってきたからです。個人による尖った情報はSNSの方がずっとうまく得られるわけですから、これは自然な流れです。つまり検索においては、ユーザーの検索意図に沿って、サイトの評判やコンテンツの内容から、○○といえばこれだよね、というようなど定番のサイトがより好まれるようになったのです。

前世占い屋の例

実際の例を考えてみます。あなたは新宿で前世占い屋「前前前世」をやっています。まだ駆け出しで固定客はほとんどいません。育児中の主婦でも安心して来られるように子供をみてくれるスタッフがいます。ホームページを開設してしばらく経ちますが、思ったようにアクセス数が伸びないのと、検索でも上位に表示されないのが悩みの種です。ではどんなキーワードで上位に掲載されれば良いのでしょう。普通に考えると「新宿 占い」でしょうか。でも上に書いたようにグーグルの検索にはど定番が求められていますから、たくさんの占い師を抱えていて幅広い種類の占いをやっている大手のサイトがずっと有利です。それにもし上位に掲載されたとしても、あなたは前世占いしかできませんから、タロット占いや手相占いを求めているお客さんを満足させることはできません。では「新宿 前世占い」ではどうでしょう。キーワードプランナーで確認してみたところ、月間検索ボリュームはゼロでした。これはひと月の間にグーグルで検索された回数のことで、つまり誰もこのキーワードで検索する人はいないということです。参考までに、キーワードごとの検索ボリュームを紹介してみます。


キーワード 月間検索ボリューム
前前前世 40,500
前世占い 22,200
新宿 占い 8,100
前世 占い 無料 1,600
前世 記憶 1,300
前世 知りたい 480
前世占い 東京 210
前世 貴族 70
占い 子供づれ 0
新宿 前世占い 0
東京 前世占い 当たる 0


「前前前世」の検索ボリュームは多いですが、いうまでもなくこのキーワードで検索する人の意図はあなたのお客さんになることではなく、YouTubeで音楽を聴くことです。それに検索上位に掲載されるのも至難の技です。本当は店の名前での検索(指名検索といいます)というのはあなたのサイトを見たいという意図のある「Go」の検索なので、どうしてもサイトに誘導したいお客さんのはずです。そういう意味では店名ですでにSEO上は不利といえます。最低限「前前前世 新宿」とか「前前前世 占い」では確実に上位表示されている必要があるでしょう。

次に「前世占い」ではどうでしょうか。これも検索ボリュームはかなり多く、あなたの専門分野とも一致するので狙い目のように見えます。ですが実際に検索してみるとわかるのですが、「前世占い」の検索意図は前世占いについて知りたい「Know」でも前世を占ってほしい「Do」でもなく、前世占いが簡単にできるサイトに行きたい「Go」の意図が強いようです。なのでネットで手軽に前世占いができるサイトが上位表示されています。一般的にビッグワードがうまくいくのは、地理的な制約がないことと、ターゲットが広い(ライトな層にも受け入れられる)ことが条件になります。

さて困ってしまいました。子供づれを売りにしようにも検索ボリュームはゼロです。「前世 占い 無料」だと検索ボリュームはそこそこありますが、無料目当てのお客さんだけに来られても困ります。ここで取れるアプローチとしては3つあります。

ひとつめは、今あるキーワードを軸にして順位の向上に取り組むことです。具体的にはネットで前世占いがしたい人向けに簡易的な診断がネットでもできるようにする。無料キーワードでの訪問を狙って、無料の初回診断クーポンを発行する、などです。先に触れたように検索意図が合わない利用者が含まれるので、狙い通りにお客さんが増えるとは限りませんが、順位が上がればサイトへのアクセス数は伸びるでしょう。「前世 記憶」についてはボリュームがそれなりにあり、検索意図も近いので、前世の記憶についてまとめたコンテンツを作ってそこから集客を狙うことはできそうです。

2つめは、SEOは費用対効果が悪いと諦めて、SNSやグーグルマイビジネスなど他の集客を頑張ることです。これはネガティブなことでもなんでもなく、商材や担当者によっても向き不向きがありますから、結果的に集客できる方法を見出せればよい話です。

3つめのアプローチは、さらに顧客の願望を深掘りして新しいキーワードを探すことです。例えば「前世 貴族」で検索している人が月間70人いることに着目します。この人たちはおそらく、自分の前世は貴族かもしれないと思って検索するのでしょう。もしくは誰かからあなたの前世は貴族だといわれたのかもしれません。そういう人が本当に望んでいることは、プライドを満たしたいのかもしれないし、自分を肯定してほしいのかもしれません。そういう意味で異なるキーワードですが、「前世 貴族」と「肯定感 低い」の検索意図は似ています。もしくは自分たちが出会ったことには運命的なものが存在すると信じて疑わないカップルにとっては「彼氏 前世」と「結婚 相性」は似ています。そんなふうにお客様になりそうな人の願望を掘り下げていくと、新しいキーワードが見つかることがあります。

最後に

とここまで書いておいてなんですが、検索キーワードありきのコンテンツ作りというのは集客としては有効ではありますが、あまりそこだけにこだわっても書いていて面白くないし、基本的には自分たちがお客様に伝えたいことを素直に書くというスタンスで問題ないんじゃないかなと思います。アフィリエイトなんかだとビッグワードを狙ってたくさんアクセスを稼ぐことが最優先になるんでしょうけど、我々の場合は結局サイトに来てくれたお客さんが自分たちの製品やサービスに満足してくれてなんぼなので、ただアクセスを増やすことがよい結果につながるわけではないでしょう。そういう意味でビッグワードの検索結果にこだわる必要はありません。逆に検索ボリュームがほとんどないキーワードや自分のビジネスと検索意図の合わないキーワードに一生懸命対策をしている人がいますが、これもおすすめできません。検索意図を意識することで、自分たちが伝えたいことをきちんと刺さるお客さんに届けることができるようになります。参考にしていただければ嬉しいです。