何年か前によく、ウェブサイトに動画を入れると検索順位が上がるという話を聞くことがありました。わたしの周りでも多くの方がこぞって「順位が上がるから動画は絶対に入れたほうがいい」といっていました。それはなぜですか?と聞くと、なぜかはわからないけど知り合いのSEOの専門家がそういっていたというのです。こういった、「〇〇すれば順位が上がる」といった話は今でも時々耳にすることがあります。「見出しを入れたほうがいい」「文章に検索キーワードをたくさん入れたほうがいい」「HTTPでなくHTTPSにしたほうがいい」といった具合です。個人事業や趣味でウェブサイトやブログを運営されている方などは、あまりSEOに関する専門的な知識を身につける余裕はないでしょうから、どうしてもそういった誰かから聞いた情報を鵜呑みにしがちです。ところが正しい知識を持たないまま闇雲にSEO対策をしてしまうと、順位が上がらないどころか、返って逆効果になってしまうこともあります。
2018年のSMXという世界的なSEOのイベントで、「離婚」「フィットネス」「ワイン」というそれぞれのキーワードで上位に掲載されるサイトにどんな特徴があったかという調査をした人たちがいました。
調査結果によると、「フィットネス」というキーワードに関しては動画と検索順位との相関関係が一部見られたものの、「離婚」と「ワイン」に関しては全く認められなかったそうです。また「離婚」については、段落の数(つまりテキストで書かれた文章の長さ)により強い相関関係が見られました。想像してみればわかるのですが、人間が離婚に関するサイトを検索する時というのは法律や体験談などの具体的な情報を欲しているのであって、動画があるサイトを重要視する必要性はまったくありません。フィットネスに関していえば、ヨガなどの動画があるほうが検索した人にとって好まれるかもしれません。このように、今の検索エンジンというのは、単純に動画を入れれば順位が上がるというようなものではなく、実際に検索した人間の意図に沿って、より適切な検索結果を返すということが以前よりもずっとうまくできるようになりました。こういった傾向は2015年くらいから始まって、AI(人工知能)技術の発達とともに数年で飛躍的に進化しました。この進化は今後も続くものと思われます。
SEOだけが目的でサイトを訪れるユーザーにとってはむしろ邪魔で迷惑な行為、というものがあります。先ほどのように闇雲に動画を入れるのもそうですが、例えば検索してほしいキーワードを不自然にたくさんサイトに詰め込んだり、似たような文章を大量に複製するような行為はユーザーにとっては有害といえます。
かつてはSEOのテクニックとしてそういう行為がある意味まかり通っていたこともあったかもしれませんが、現在では品質の低いサイトもしくはガイドライン違反とみなされ、逆に検索順位を下げる結果となる可能性が高いです。
どのような行為がガイドライン違反とみなされるかは、Googleのサイトに書かれてあります。
あまり知識のない方の中には、業者などからこうすれば順位が上がるよといわれ、いわれるがままに従ってしまうことがあるかもしれません。実はガイドライン違反で順位を下げてしまうことのないよう、一度目を通しておくことをお勧めします。有料リンクの販売など、今ではまったく通用しない方法を勧めてくる業者もいるので注意が必要です。
ときどきクローバ PAGEにまったく内容のないリンクだけのサイトを作成して、自分の持っているECサイトなどに誘導するような行為をされる方がいます。上に書いたようにそういうものはSEO上まったく効果がないばかりか、品質の低いサイトとしてみなされるでしょう。そしてクローバ PAGE の利用規約でもこのような行為を明示的に禁止しているため、サイトの公開停止や、場合によってはユーザーアカウントの凍結をさせていただくこともあります。つまり誰も得をしません。こういった方は何度サイトを公開停止しても定期的にやってきます。一度直接お伝えしたいと思っているのですがなかなか機会がありません。この記事を読まれることを切に願っています。
また、どこかのサイトやブログを転載したような記事を大量に投稿される方がまれにいらっしゃいます。これについてももしかしたら筋の悪いコンサルに引っかかってこのようなやり方を指南されてるのかもしれませんが、やはり逆効果にしかなりません。あからさまな場合はサイトの公開停止や、検索サイトの巡回対象からの除外を実施することになりますのでお願いですからやめてください。
もし業者や知人からこういうことをやればいいよといわれたら、なぜそれをやるのですかと聞いてみてください。それが上にあげたサイトの「一般的なガイドライン」に沿うものであれば、安心して実施することができます。例えばサイトマップの生成や、HTTPをやめてHTTPSにするのは正しい施策といえます。
可能であれば、HTTPS を使用してサイトの接続を保護します。ウェブ上の通信ではユーザーとウェブサイトとの間のやり取りを暗号化することが適切です。
品質に関するガイドラインに違反することであれば、明確に拒否すべきです。もしかすると一時的には効果があるかもしれませんが、ガイドライン違反がGoogleに見つかって検索から除外されないかと毎日を恐れながら過ごすのはとても健康的ではありません。
もし一般的なガイドラインにも品質に関するガイドラインにも当てはまらないことであれば、それは自分のサイトを訪れる人が喜ぶものだろうかと想像してみてください。喜ぶものなら迷わずやってしまいましょう。
何度も書いたように、今はもうSEOは小手先のテクニックで順位が大幅に上がるというようなものではなくなっています。そしてその仕組みも日々変化しています。なので専門家でない人が頑張って最新のやり方を追いかけて適用するのはとても難しく、それらのほとんどはCMS(やクローバ PAGE)などのツールが担うものになってきています。なので技術的なことはツールにお任せし、
というサイクルをまわすことで長期的にサイトを育てていくことが、個人事業でやるSEOとしてはもっとも有効な戦略ではないかと思います。