イベントや展示会などでちょっとしたノベルティを配ることがあります。ノベルティというのは、Tシャツやステッカー など、商品や会社のロゴやキャラクターが掲載されたグッズのことです。企業が集まる展示会に行く機会があると、家に企業ロゴの入ったボールペンが大量に転がっている人もいるのではないでしょうか。今はネットで画像を送るだけで色々な種類のノベルティを作ることができます。
まずノベルティを作る目的はなんでしょうか。大きく次のようになるかと思います。
話をするきっかけを作る。
展示会などでいきなり話しかけても人は立ち止まってくれませんが、何かを渡すと立ち止まってくれやすいものです。ボールペンをくれる代わりにアンケートに答えてくださいといわれて萎えることもよくあります。
渡した人がそれを使ってくれることで、自分たちの製品やサービスを近くの人に広めてもらう。
Tシャツやステッカーを作る主な目的はこれではないかと思います。ノベルティが広告になるわけですね。わざわざ広告と書くととたんにいやらしく感じます。
自分たちのことを好きになってもらう。
ファンづくりという観点からいうと、ここが一番大事なところです。なかなか普段接することの少ないお客様に、こんなものを作るなんて面白い会社だなとか、自分たちが喜ぶことを考えてくれているんだなと思ってもらうことができれば、ノベルティをSNSでシェアしてくれるかもしれません。
ノベルティを作る目的はわかりました。でもなんでも作ればいいというわけではありません。ひとつ1万円のノベルティをそうそう配るわけにいきませんし、企業ロゴが入ったTシャツなんか普通は着たくありません。米俵とかもらっても困ります。
ノベルティを作るときの制約としてはこんな感じでしょうか。
まずコストを考えないといけませんね。既存のお客様へ贈るものでしたら少々単価が高くても問題ありませんが、イベントなどで大量に配ることを考えると、単価が千円を超えるものは厳しいです。普通は500円以内ではないかと思います。ボールペンなんかだとロゴを入れても100円〜200円くらいで作れます。そしてあまり重いものやかさばるものはもらってもらいにくいですし、在庫を置いておくのも大変なので、なるべく軽くて小さいものになります。最後にもらって嬉しいものであること。実はこれが一番難しいのです。今は物が溢れていますし捨てるコストもかかるので、無料であってもいらないものをもらうのは迷惑だと感じる人が増えてきました。わたしもイベントでもらったボールペンがすぐに書けなくなってその企業への印象が悪くなったことがあります。そう考えるといけてるノベルティを作るってものすごく難しいと思いませんか? 500円以内で、かさばらなくて、もらって嬉しいもの。そんなのあるでしょうか? 今どき5千円のものでも彼女の誕生日に贈ったらなんてケチなやつだと思われます。
私が前に勤めていたサイボウズでは、昔からかなりノベルティに力を入れていました。私が入社したのは10年以上前ですが、当時はとにかくインパクト重視で、ボウズマンというキャラクターの入ったカップラーメンやビックリマン風のチョコレート、入浴剤まで作っていました。ただ品質はもうひとつで、入浴剤は風呂に入れるとお湯がどぎつい青になってあまりいい匂いもしませんでした。でも当時はわたしも含めて面白がる人が多く、好評だったのではないかと思います。カップラーメンも時どき賞味期限切れのものが混ざっていたりしました。ノベルティ自体が珍しかった時代だからこそ許されたところもあるので、今だと同じものを出すのはちょっと難しいかもしれません。
値段が安くて喜ばれるものを作ろうとすると、実用性かデザインかのどちらかに振ることが多いです。実用的なものというと、それこそボールペンとか付箋とか、とりあえず家に置いておいて困ることはないものが選ばれることになります。ビジネス系の展示会なんかだとほとんどがこのタイプですね。実用性に振りすぎると、もらってくれるのはいいものの、ノベルティによって好きになってくれるということはなさそうです。一方でデザイン重視のものになるとステッカーや缶バッジなんかが代表例です。どちらも単価が安く作れるのでとりあえず作ってみたという方もいるのではないでしょうか。ステッカーは大きさや発注する枚数にもよりますが、1枚数十円で作ることができます。デザインに寄りすぎると、そのブランドに興味のある人には喜んでもらえますが、興味のない人にとってはゴミにしかならないのがつらいところです。クローバ PAGEのステッカー欲しい方がいたら差し上げますのでイベントなどで声かけてください。
なので普通はある程度実用性があって、かつデザインも好まれるのが理想になります。わたしが秀逸だなと思っているのが、これまたサイボウズが配布している卓上カレンダーです。カレンダーって、老舗の会社でも年末になるとロゴの入ったカレンダーを作って得意先などに配ってますよね。なので普通といえば普通なのですが、サイボウズってもともと企業で社員がスケジュールの管理をするソフトウェアを作っている会社なので、仕事でサイボウズを使っている人は、パソコンやスマホでサイボウズのカレンダーを毎日見ていることになります。それとまったく同じデザインが紙の卓上カレンダーに再現されています。初めて見た人は、おおいつも使っているあれだということになります。商品の特色を生かしながら遊び心があって実用的でもある、とても完成度の高いノベルティになっています(まあまあのお値段はすると思いますが)。
この卓上カレンダーももちろんたいへん素晴らしいのですが、わたしが最強だと思っているノベルティは実は他にあって、最後にそれを紹介したいと思います。うちでも長い間お付き合いさせていただいていて、システムの対面開発という先進的な事業を行っているジョイゾーさんが毎年イベントで配布しているものです。何か便利に使えるわけでもデザインがものすごくかっこいいわけでもありません。その最強のノベルティとは「ししゃも」です。取締役の四宮琴絵さんの出身地である釧路の名産品である燻製ししゃもをノベルティとして配布しているのです。なにがものすごいかというと、まず見た目のインパクトがあります。イベントで渡されたものが魚なのですから誰でもえっ?てなります。しかもぺたんこの燻製なので軽いし、かさばらない。そしてなによりめちゃめちゃ美味しいのです。ノベルティで美味しいものなんか滅多にあるものではありません。釧路の産地直送品ですから、そうそう手にも入らない。普通にお土産にしてもいいレベルです。先日のイベントではわたしもししゃも目当てでジョイゾーのブースに立っていたのですが、結局全部配布しつくしてしまったのでおこぼれに預かることができませんでした。何回もらっても嬉しいという点もこのノベルティの優れたところです。単価は知らないのですが独自のルートを使っているはずなので低めに抑えられているのではないでしょうか。わたしはこのししゃも以上のノベルティにお目にかかったことがありません。
魅力的なノベルティを作るのは簡単ではありませんが、もらった人の顔を想像しながらオリジナルのノベルティを考えるのは楽しいものです。皆さんも色々工夫して素敵なノベルティを作ってみてくださいね。