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​SNSとブログには違うことを書いたほうがいいですか?

ときどきお客様からこんなご要望をいただくことがあります。「記事を投稿したら自動的に同じ内容をSNSにも投稿できませんか?」もしくは逆に、SNSに投稿したら自動的に記事を投稿したいという方もいます。技術的な問題はさておき、ブログとSNSに同じ内容を投稿したいという気持ちは、できるだけ楽をしたいという観点からは理解できますが、マーケティング的にはおすすめはできません。なぜならそれぞれ発信の目的も違えば、適したコンテンツも異なるからです。その辺のことを今回は書いてみたいと思います。

なぜあなたのブログは読まれないのか

今普通の人がツイッターやインスタグラムで情報を発信することは珍しいことでもなんでもありません。むしろSNSを何もやっていない人を見つけるほうが難しいくらいです。ツイッターには毎日5億件のツイートが投稿されているのだそうです。SNSはとにかく情報の鮮度が売りです。今台風で困っている人がいるとか、今流行りのこんな店に行ったとか、見ている人もそういった「今」の情報を求めてSNSを利用します。逆にいえばSNSに書かれているの情報は、足が早い(傷みやすい)ともいえます。1年前にわたしがどこへ行ったかなどに興味を持つ人はいません。SNSは常に「今」の新鮮な情報を継続して発信していくメディアです。それから情報へのアクセスのしやすさという点でもSNSは優れています。アプリを開くだけで、フォローしている興味のありそうな情報が勝手に入ってきます。自分で探す必要すらありません。そんな状況で、SNSと同じ内容をブログに書いたとして、わざわざブログにアクセスしてきてまで読んでくれる人はいるでしょうか。

イベントや教室をされている方のブログでよく見る例として、開催告知と報告しかないものがあります。しかも内容は日時と写真以外まったく同じです。書くことがないから仕方なくそうしているのだとは思いますが、誰がこのブログを読むのだろうと思ってしまいます。きっとそういう方はSNSでも同じように開催告知と報告をしているのでしょうから、集客を目的としているのであれば、SNSだけで十分なのではないでしょうか。例外として、ホームページやブログにアクセスしてきてくれた人に、こういうことをやってますよということをまとめて見せることはあります。ただコンテンツをまとめることが目的であれば、それぞれの記事がただの定型文ではなくて、読ませるコンテンツとして成立していないと意味がありません。このようにイベントの告知のような足の速い情報については、集客面でブログはSNSにとてもかないません。

では集客を目的としてブログを書くメリットはもうないのかといわれると、もちろんそういうわけではありません。

ブログが適したコンテンツとは

SNSの投稿への流入経路は、大部分が同じSNSからの検索か、フォロワーからのシェアです。つまりほぼほぼそのSNSの中で情報の伝搬が完結しているのが特徴です。そのおかげで拡散の速さはブログよりも格段に速いのです。これに対して、ブログ記事への流入経路はSNSからのシェア、グーグルなどの検索サービス、他のブログやホームページからのリンクなどいろいろあります。なので最初はSNSで拡散しておいて、そのあとは検索サービスからのアクセスを長期的に狙うことも可能です。というか、ぶっちゃけブログで集客できるかどうかはグーグルから検索してもらえるか次第といってもいいくらいです。昔はとにかく別のサイトからのリンクさえ多ければいいとか、内容が薄くても記事の数さえ多ければ検索の上位に表示されていた時期もありましたが、今は検索で上位に表示されるためには、コンテンツの質がもっとも重要視されるようになりました。そのあたりの話は別の記事に書いています。

なのでSNSに書くような、足が早くてちょっとした共感を呼ぶような日常的なコンテンツは、あまりブログに書く内容としては適しているとはいえないのです。SNSで人気の投稿が鮮度抜群のお刺身だとすると、ブログで人が呼べるのは長期熟成したワインみたいな深みのあるコンテンツです。もちろんブログでも時事ネタなどで一時的にアクセスを狙うこともありますが、そればかりではすぐに誰も読んでくれなくなってしまいます。



SNSは情報の鮮度が重要視されるので、頻繁に(できれば毎日)更新する必要があります。こういった日々流れていく情報をフロー情報といいます。一方でホームページのように、必要な時に固定の情報がいつもそこにあることが大事なメディアもあります。このような情報をストック情報といいます。ブログはその中間で、時々更新されるという意味ではフロー情報でもあるし、いつでも取り出して見れるという意味ではストック情報ともいえます。

先日、出張で知床の斜里町に行く機会がありました。ウトロ漁港では漁港がテラスのようになっていて上からシャケの水揚げを見学できるようになっています。漁船から次々に大きなシャケが陸に降ろされていくのは普段観ることがないだけにとても見応えがありました。実は伺ったのは知床の漁業ブランディングのサイト制作のためで、役場の方と今後の情報発信について意見交換もさせていただきました。今はまだ箱があるだけで集客はこれからのようですが、わたしが担当をするとしたら、SNSには天候と日々の水揚げの開始時間や送迎といった観光に必要な情報を丁寧に淡々と投稿していくと思います。これだけSNS映えする写真がいくらでも撮れるのですから、拡散してもらえるような仕掛けも考えたいところですね。ブログには漁師さんの人となりがわかるような記事など、水揚げの見学や知床の観光の魅力を伝えられるコンテンツを充実させることで流入を増やしていけるかななどと妄想を膨らませました。どうでしょう。SNSとブログに同じ内容を投稿するなんて、もったいないと思いませんか?


ウトロ漁港の見学はめっちゃオススメなので秋口に知床を訪れることがあればぜひ体験してみてください!