何かを宣伝したいとき、まず思いつく手段としてEメールがあります。Eメールはアドレスさえわかれば誰にでも送信することができますし、電話やダイレクトメールと違って時間やお金もかかりません。なのでかつて、わたしのパソコンや携帯のメールボックスは、出会い系とか壺を買いませんかみたいなメールであふれていました。でも現在わたしのGmailにそういうメールが届くことはほとんどありません。なぜかというとGoogleが迷惑メールを自動的に判別して、受信を拒否したり、迷惑メールフォルダに入れてくれるからです。毎日100通もメールの仕分けをしなくていいのはとても快適です。逆に考えれば、もしわたしが何かの宣伝をしたくて、どこかの業者から1万件のメールアドレスを買ってきて、適当にサーバーを借りて一斉に広告を送信したとします。そのメールはちゃんと送信できるでしょうか。
2008年前までは、メールの件名に「未承諾広告※」と入れておけば、広告や宣伝のメールを不特定多数に送信してもよいことになっていました。今はあらかじめ送信してもいいよと同意をもらわないと、宣伝メールを送信してはいけないことになっています。それから、一度同意した相手であっても、必ず受信拒否の連絡を受けられるようにしておく必要があって、受信拒否した相手には以後メールを送ってはいけません。名刺交換しただけでメルマガに登録されることが時々ありますが、あれはまあ、メールアドレスを教えたイコール、受信に同意したということかもしれませんが、ちょっとグレーな気がします。
メルマガなどで本文に「配信を停止する」みたいなリンクがあって、押すと自動的に配信が停止されるようになっているのを見たことがあると思います。あれは受信が拒否できることが法律によって決められているので、いちいち連絡を受けて宛先から消すのは担当者が面倒臭いので、自動的にリストから削除されるしくみになっています。
でもそれだけではないんです。
「配信を停止する」リンクがないとどうなるかというと、メールを送ってこられた人の中には、これは迷惑メールだということで迷惑メールフォルダに入れてしまうかもしれません。Gmailなどのメールサービスでは、迷惑メールを送る人(いわゆるスパマーというやつです)のデータベースを持っています。そのデータベースは過去にどんなメールが迷惑メールフォルダに入れられたかという情報に基づいて作られています。一度メールが迷惑メールフォルダに入れられてしまうと、他のユーザー宛てのメールも迷惑メールだと見なされる可能性が高くなります。Gmail以外のメールサーバーでも、スパマーのデータベースを活用しているところは多いです。そういうブラックリストに掲載されてしまうと、それ以降同じアドレスからメールを送信することはとても難しくなります。
自分のドメインがGmailからどれくらい迷惑メール判定されているかは、Postmaster Toolsを使って調べることができます。自分の独自ドメインからメールを送信している人は試してみるとよいでしょう。
なのでメールを送る側としては、迷惑メールとして扱われるくらいなら、配信を停止してもらった方が都合がよいわけです。必ず配信停止ができるようにしておきましょう。
同時に、各ベンダーでこのような迷惑メール対策がとられるようになったので、いかにして正当なメールを迷惑メールと間違えないようにするかというしくみも整備されました。SPFとかDKIMとかいうのがそれで、簡単にいえばこのメールは確かにこのメールアドレスから送りましたよということを証明するわけです。逆にいえばそういうしくみがあるのだから、証明のないメールは迷惑メールとして扱われても文句はいえないということになります。普段使っているフリーメールや会社のメールは誰かが設定してくれているので特段気にすることはありませんが、素人が設定するのはけっこう難しいです。
最初の質問の答えですが、違法なのはさておき、何も考えずに送るとたぶん結構な割合のメールが迷惑メールと判定されるのではないかと思います。時々、クローバ PAGE からのメールを自分のアドレスから送れないのかというご要望をいただくことがあるのですが、このような理由でおそらく今よりも高確率で迷惑メールとみなされ、メールが送れないことが予想されるため、今のところそういった機能を搭載する予定はありません。やるならSPF/DKIMに対応した上でということになりますが、そこまでしてやりたい人はあまり多くないのではと思っています。
ということで、たくさんの相手先にメールを送るには、とにもかくにも迷惑メールだとみなされないことが大事というお話でした。メールの配信サービスを利用する場合は、とりあえず送る側の技術的課題はクリアされているでしょうから、特に送信したメールに対して受信側の反応(受信できなかった、迷惑メール判定されたなど)が重要になります。
つまり
メールを送ることを心がける必要があります。相手先によってメールを送る頻度や内容を変えることも効果的かもしれませんね。